「建設業の求人を出しても、人が集まらない」。「給料も休みも、大手にはかなわない」。経営者さんから、本当によく聞く声です。
その悔しさ、私もよく分かります。でも、条件で勝てないことは、負けを意味しません。勝負する場所を変えればいいんです。
建設業の求人が集まらないのは「条件」のせい?
私が学んだ考え方に、「採用につながる企業力は7つの要素でできている」というものがあります。業界、仕事内容、企業ブランド、企業の安定性、給与・待遇、労働環境、社内リソースの7つです。
こうして並べると、給与・待遇は7つのうちの1つにすぎません。なのに求人票を見ると、条件の欄ばかりが埋まっていることが多いんです。
条件の比べっこでは、体力のある会社が勝ちます。だからこそ中小の建設会社は、条件以外の6つに目を向けたい。そこには、大手にはまねできない強みが眠っています。
勝てる場所①「仕事の手ごたえ」
採用につながりやすい仕事内容として、「やりがいがある」「仕事を通じて成長できる」が挙げられます。これは、建設業がもともと持っている強みです。
朝はただの更地だった場所に、少しずつ建物が立ち上がっていく。自分の手が入った仕事が、何十年も街に残る。こんな手ごたえを毎日感じられる仕事は、そう多くありません。
しかも中小の会社なら、一つの現場の最初から最後まで関われることも多いはずです。「早くから任される」「全体が見える」。これは立派な成長の材料です。求人票には、ぜひ言葉にして書いてください。
勝てる場所②「一緒に働く人」
労働環境の要素には、「人間関係がよい」も入っています。そして人間関係は、会社の規模に関係なく勝負できる場所です。
私が初めて担当した現場は、正直ぐちゃぐちゃでした。職人さんには「出来の悪い監督が来た」とぼそっと言われる始末。それでも毎日現場に行き、挨拶をして、話しかけ続けました。
完工するころには、笑い話にしてもらえる関係になっていました。現場の人間関係は、ぶつかりながらも、ちゃんと育っていくものです。
だから求人では、どんな人たちと働くのかを見せてほしいんです。親方の口ぐせ、休憩中の空気、若手への声のかけ方。きれいな言葉より、ありのままの姿のほうが伝わります。
勝てる場所③「来てほしい人」を絞り込む
求人が集まらない会社ほど、「誰でもいいから来てほしい」と考えがちです。でも、誰でもいい求人は、誰の心にも刺さりません。
そこで役立つのが、採用条件を「松竹梅」で整理する考え方です。梅は「これがなければ絶対に採用しない」という最低ライン。松は「欲しくて、しかも来てくれそうな人」の最高ラインです。
整理してみると、梅のラインは思ったより低いことに気づくはずです。「資格は入ってから取ればいい」「挨拶ができれば育てられる」。そう言える会社は、未経験の人に向けて堂々と求人を出せます。条件で勝負しない分、来てほしい人をはっきりさせることが大事なんです。
今日からできること
- 求人票の「仕事内容」を書き直す:作業の名前を並べるだけでなく、どんな手ごたえがある仕事かを1行足してください。「完成した建物を家族に見せられる」など、具体的なほど伝わります。
- 現場の「人」を1枚の写真で見せる:完成物件の写真だけでなく、休憩中や朝礼の様子も載せてみてください。働く人の表情は、何よりの情報です。
- 社内で「梅のライン」を話し合う:社長だけで決めず、現場の職人さんにも「最低限これがあれば一緒に働ける」を聞いてみてください。思わぬ答えが出てきます。
まとめ
建設業の求人が集まらないとき、条件で背伸びをする必要はありません。仕事の手ごたえ、一緒に働く人、来てほしい人の絞り込み。勝てる場所は、すでにあなたの会社の中にあります。
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