「職人の採用なんて、もう無理だよ」。建設会社の社長さんから、そんな言葉を聞くことがあります。
でも私は、そうは思いません。職人さんの仕事は、本当にカッコいいからです。問題は仕事ではなく、そのカッコよさが外に届いていないことにあります。今日は職人の採用について、元現場監督として本音でお話しします。
職人の採用が難しいのは「カッコよさ」が届いていないから
現場にいた頃、私は毎日のように職人さんの手元を見ていました。迷いのない動き。ミリ単位の仕上がり。段取りの早さ。どれも、そばで見ると思わず見とれてしまうものです。
ところが、求人票になると話が変わります。「経験者優遇」「日給〇円」「資格取得支援あり」。条件は並んでいても、職人さんの姿はどこにもありません。
私たちが2026年5月に行った街頭インタビューでは、10代・20代170名のうち49%が建設業を「よく知らない」と答えました(UraBanashi調べ)。若い人は職人の仕事を嫌っているのではありません。知る機会がないだけなんです。
方法1:職人さんの「手元」と「仕上がり」を見せる
職人さんのカッコよさは、言葉で説明するより見せたほうが早く伝わります。道具を扱う手元。仕上がった壁や床。完成した建物の前に立つ後ろ姿。
写真でも動画でもかまいません。大切なのは、きれいに飾ることではなく、ありのままを写すことです。汗をかいている姿も、泥のついた作業着も、その仕事の誇りの一部です。
私はよくデッサンの話をします。輪郭を線でなぞった絵は平面的です。影や光までしっかり描くと、描いていない輪郭が自然に浮かび上がります。職人さんの日常をそのまま描くことが、会社の魅力を一番よく伝えるんです。
方法2:大変さも正直に伝える
職人の仕事には、きつい面もあります。夏は暑く、冬は寒い。朝が早い日もある。一人前になるまでには時間がかかります。
こうしたことを隠したくなる気持ちは分かります。でも、入社すれば必ず分かることです。先に伝えておくほうが「聞いてない」が減り、それでも来てくれる人と出会えます。
大変さとセットで、「だからこそ、できるようになったときがうれしい」と伝えてみてください。きつさの向こうにある手応えまで描くと、仕事の本当の姿が見えてきます。
方法3:求人の前に「現場」を見てもらう
職人さんのカッコよさを一番伝えられる場所は、やっぱり現場です。求人票を何度書き直すより、一度現場に来てもらうほうが伝わることがあります。
私たちが運営しているKIZUKU(建設現場1日体験)でも、受け入れ企業からこんな声をいただいています。外構工事会社さんからは「求人広告では応募ゼロだったが、KIZUKUで大学生と出会えた」。内装工事会社さんからは「面接より先に現場を見てもらうことで、入社後のギャップがなくなった」。
参加した女性からは「思ったほど工具も重くなくて、女性でもできないことはないと思った」という声もありました。実際に触れてみると、思い込みはほどけていきます。
今日からできること
- 職人さんの手元を1枚撮る:作業中の手元や仕上がりを、スマホで撮ってみてください。本人に一声かけて、求人やSNSに使わせてもらいましょう。
- 職人さんに「この仕事で一番うれしい瞬間」を聞く:休憩中の雑談で大丈夫です。出てきた言葉は、そのまま求人のメッセージになります。
- 求人票に「大変なこと」を一つ書く:正直な一文が、かえって信頼につながります。
まとめ
職人の採用で大切なのは、条件を並べることより、職人さんの姿をありのままに届けることです。手元を見せ、大変さも伝え、現場に来てもらう。どれも、今いる職人さんの力を借りればできることです。
職人さんの仕事は、胸を張って誇れる仕事です🔥 そのカッコよさを、次の世代に届けていきましょう。
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