「うちの会社の魅力って、何ですかね?」。経営者の方から、よく聞かれる言葉です。
自社の魅力の見つけ方が分からないまま、求人票に「やりがいのある仕事です」と書いてしまう。そんな会社は少なくありません。今日は、私がいつも大切にしているデッサンの話から、魅力の見つけ方を考えてみます。
「ウチはこんな会社です!」が伝わらない理由
魅力を伝えようとすると、多くの会社は良いところを並べます。「風通しがいい」「成長できる」「地域に貢献」。どれも嘘ではありません。
でも、求職者の心にはなかなか残りません。どの会社も同じ言葉を使っているからです。読む側からすると、会社の顔が見えてこないんです。
これは、絵でいえば輪郭だけを線でなぞった状態です。形は分かるけれど、平面的で、その会社らしさが浮かんできません。
輪郭を太くしようと、言葉をどんどん盛ってしまうこともあります。けれど盛るほど、入社後に「想像と違った」と感じさせる原因にもなります。
デッサンは、輪郭ではなく「影」を描く
デッサンでは、輪郭の線を強く引くほど絵が平たくなると言われます。うまい人は、被写体の影や光、まわりの影を濃くしっかり描きます。
すると不思議なことに、描いていない輪郭が自然に浮かび上がります。主役が、まわりの描写によって立ち上がってくるんです。
会社も同じだと私は考えています。会社を主役として浮かび上がらせるのは、社長の宣言ではありません。社員の姿、地域とのつながり、そして欠点も含めたありのままの姿です。
自社の魅力の見つけ方は「当たり前」の中にある
欠点も、立派な「影」になる
「うちは古い会社で、仕組みも整っていなくて…」。そんな言葉が出てきたら、実はチャンスです。
欠点を正直に書くと、会社は一気に立体的になります。「仕組みはまだ発展途上。だから一緒につくれる人を待っています」と書けば、それは誠実さとして伝わります。良いところだけを並べた求人より、ずっと信頼されます。
魅力は、社員の口から出てくる
社長にとっての当たり前は、外から見ると魅力であることが多いです。そして、それに一番気づいているのは毎日働く社員です。
KIZUKUを受け入れた内装工事会社からは、「面接より先に現場を見てもらうことで、入社後のギャップがなくなった」という声をいただきました。飾らない現場そのものが、いちばん伝わる魅力だったのだと思います。
社長がひとりで考え込むより、社員に話を聞くほうが早く見つかります。休憩中に「この仕事、どこが面白い?」と聞くだけでも十分です。返ってきた言葉は、飾らずそのまま使ってください。少し不器用な言い回しのほうが、求職者にはかえって本物らしく響きます。
私の現場にも「影」があった
私が初めて担当した現場は、正直ぐちゃぐちゃでした。職人さんに「出来の悪い監督が来た」とぼそっと言われたこともあります。
ポンコツだった私にできたのは、毎日現場に行って挨拶をすることくらい。それでも話しかけ続けるうちに、完工する頃には笑い話にしてもらえる関係になりました。
格好いい話ではありません。でも、こういう泥くさい部分にこそ、人と現場の本当の魅力が詰まっていると感じています。会社の歴史にも、きっと同じような「影」があるはずです。
今日からできること
- 社員に「入社して意外だったこと」を聞く:良いことも、そうでないことも両方聞いてください。その答えが、会社の影と光になります。
- 「うちの弱み」を3つ書き出す:書いたら、それぞれを「だからこそ」でつないでみましょう。弱みの裏に、隠れた魅力が見えてきます。
- 求人票から、どこの会社にも書ける言葉を消す:「アットホーム」「やりがい」を消すと、空いたところに自社だけの言葉を入れる必要が出てきます。
社員の声を集めて言葉にするのが難しければ、うらサポ(採用伴走サポート)で一緒に掘り起こすこともできます。
まとめ
自社の魅力は、探し回って見つけるものではありません。すでに社内にある当たり前や、欠点の中に眠っています。
輪郭をなぞるのをやめて、影を濃く描いてみてください。どの会社にも、必ず誇れるものがあります🔥
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