「施工管理の採用、経験者で資格もある人がほしい」。建設会社の社長さんから、とてもよく聞く言葉です。

気持ちは本当によく分かります。でも、その条件の求人は、同じ地域の何社もが出しているかもしれません。今日は、施工管理の採用条件の決め方を、元現場監督として本音でお話しします。

施工管理の採用で「ほしい」を盛りすぎていないか

採用の勉強をする中で、ターゲット設定によくあるミスを学びました。そのひとつが「ほしい要素を盛りすぎる」ことです。

経験5年以上、資格あり、若手、コミュニケーション力も高い。そんな人がいたら、どの会社もほしいですよね。だからこそ、取り合いになります。条件で勝てない中小企業ほど、苦しくなる戦い方です。

反対に「誰でもいい」も危険です。誰にでも向けた言葉は、結局だれの心にも刺さりません。大事なのは、その間にある「うちに合う人」を見つけることです。

ターゲットは「3つの重なり」から考える

私が学んだ考え方に、3つの要素を重ねてターゲットを決める方法があります。「ほしい人材」「活躍している人材」「採用できそうな人材」の3つです。

この中で、いちばん見落とされがちなのが「活躍している人材」です。いま、御社で頼りにされている監督さんを思い浮かべてみてください。入社したとき、最初から何でもできる人でしたか?

私自身、初めての現場はぐちゃぐちゃでした。職人さんに「出来の悪い監督が来た」と言われたほどです。それでも毎日、現場を掃除して、挨拶と一言を続けました。完工の頃には、私の現場を喜んでもらえるようになったんです。

施工管理で活躍する人は、最初の経験より「人と向き合えるか」で伸びることも多い。私は現場でそう感じてきました。

採用条件は「松竹梅」で整理する

ターゲットが見えてきたら、採用条件を松竹梅の3段階に分けます。これも私が学んで「なるほど」と思った方法です。

梅:ここだけは譲れないライン

どんな人柄でも、これがなければ書類の時点で見送る、という最低ラインです。たとえば「普通免許がある」「人と話すことが嫌いではない」など。本当に必要なものだけに絞ってください。

竹:現実的に出会えそうなライン

ほしい人で、かつ採用できそうな人のラインです。「現場の仕事に興味がある」「職人さんやお施主さんの話をちゃんと聞ける」など、育てる前提で考えます。

松:来てくれたら最高のライン

経験者や有資格者は、ここに置きます。松は「来てくれたら最高」の層です。求人の入口を松だけにしないことが、ポイントです。

「転職の決め手」まで考えて、求人に書く

条件を決めたら、もうひとつ考えてほしいことがあります。その人が「この会社にしよう」と決める理由は何か、です。

2025年の転職者実態調査をもとにした離職理由のデータでは、20代は人間関係や仕事の環境が、30代は賃金や会社の将来性が大きな理由になっていました。年代によって、会社に求めるものは違うんです。

20代を迎えたいなら、先輩との関係やフォロー体制を伝える。30代なら、資格取得の支援やキャリアの道筋を伝える。竹の人に届けたいものを、言葉にして求人に載せていきましょう。

今日からできること

  • 活躍している監督さんを2人思い浮かべる:「なぜ入社したのか」「なぜ働き続けているのか」を書き出してください。それがターゲット像の土台になります。
  • いまの求人条件を松竹梅に仕分ける:今の条件が全部「松」になっていないか、確かめてみましょう。
  • 梅のラインを社員みんなで話し合う:社長ひとりで決めず、現場の監督さんにも「これだけは必要」を聞いてみてください。

ターゲットを決めてから媒体を選ぶ流れは、中小企業の採用方法についてのコラムでもお話ししています。

まとめ

施工管理の採用は、条件を盛るほど難しくなります。ほしい人だけでなく、うちで活躍している人に目を向けると、出会える人が見えてきます。

施工管理は、人と向き合うほど伸びていく仕事です🔥 その入口を、少しだけ広げてみませんか。

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