「うちは給料も大手ほど出せないし、魅力なんてないですよ」。経営者の方から、こんな言葉を聞くことがあります。
自社の魅力の見つけ方が分からないとき、人はつい「ない物」から数えてしまいます。今日は、その視線を「ある」ものに向け直す話をします。
「うちには何もない」は、本当でしょうか
条件が悪い。知名度もない。若い人もいない。そう並べていくと、たしかに気持ちは沈みます。
でも、ひとつだけ忘れてはいけない事実があります。それは、今この会社で働き続けている人がいるということです。
1人でも働き続けている人がいるなら、その会社が合うと感じる人は必ずいます。その人がなぜ辞めずにいるのか。そこに、表に出ていない魅力が眠っています。
現場にいた頃も、条件だけ見れば決して楽ではない仕事を、何年も続けている職人さんがたくさんいました。続ける理由は、給料の額だけでは説明できないものでした。
魅力は「ない物探し」ではなく「ある物探し」で見つかる
ない物を数えると、他社との比較ばかりになります。比べるほど、自分の会社が小さく見えてしまいます。
一方で、ある物に目を向けると、比較ではなく「らしさ」が見えてきます。長く通ってくれるお客さん、地域での立ち位置、社員どうしの距離感。どれも、他社がまねできないものです。
『中小企業が採用で成功する絶対法則』という本では、成功した会社の事例に、地域の人口や特徴までしっかり書かれていました。会社のまわりを知ることも、「ある物探し」のひとつです。地域の中で自社がどんな場所に立っているかが分かると、言葉にできる魅力がぐっと増えます。
以前、輪郭ではなく「影」を描くデッサンの話を書きました。影を描くには、まず目の前にある物をよく見ることが必要です。ない物は、描けないからです。
私も「向き合うこと」から逃げていた
正直に言うと、私は自分と向き合うことがずっと苦手でした。自問自答を避け続けて、人生がどん底まで落ちたこともあります。
そこでやっと、自分の内側に矢印を向ける大切さに気づきました。「なぜ?」「どこが?」と問いかけると、見ないふりをしていた自分の良さも弱さも見えてきました。
採用も同じだと思います。会社を見つめ直すのは、少し勇気がいります。でも、向き合った会社にしか、本当の魅力は見つかりません。
自社の魅力を見つける3つの問い
問い1:あの人は、なぜこの会社に入ったのか
「こんな人がもっと来てくれたら」と思う社員を、2人思い浮かべてください。その2人が入社を決めた理由を考えてみます。
分からなければ、本人に聞いてみるのがいちばんです。思いがけない答えが返ってくることも多いはずです。
問い2:あの人は、なぜ今も働き続けているのか
入った理由と、続けている理由は違うことがあります。続けている理由のほうが、毎日の職場の本当の姿に近いものです。
「社長が現場の話をちゃんと聞いてくれる」「仲間と冗談を言い合える」。小さな理由ほど、求職者には響きます。
問い3:あの人は、この会社のどこが好きなのか
最後は、好きなところです。社長が気づいていない魅力が出てくることがよくあります。
ここで大事なのは、答えを否定しないことです。社長にとっての当たり前こそ、外から見れば魅力だったりします。
この3つの答えを、その2人がまだ他社で働いていると想像して読み返してみてください。その人を呼ぶための言葉は、今の求人票と同じでしょうか。きっと違うはずです。
今日からできること
- 「ある物リスト」を10個書く:人、お客さん、地域、道具、習慣など、ジャンルは自由です。「ない物」は書かないのがルールです。
- 社員2人に3つの問いを聞く:入った理由、続けている理由、好きなところ。休憩中の雑談で十分です。
- 社長ひとりで答えを出さない:分からないところは、会社の仲間にも同じ問いを投げてみてください。
問いの答えを求人や発信の言葉にするのが難しければ、うらサポ(採用伴走サポート)で一緒に整理することもできます。
まとめ
自社の魅力は、ない物を埋めた先にあるのではありません。今いる社員が働き続けている理由の中に、すでにあります。
まずは「ある」ものに目を向けるところから始めてみてください。どの会社にも、必ず誇れるものがあります🔥
「うちの会社の魅力って、何だろう?」そう思ったら、一度お話を聞かせてください。表に出ていない本当の魅力を、一緒に掘り起こします。無料相談はこちら
