「何を考えているのか分からない」「教えても続かない」。若手社員の育て方に、頭を抱えている経営者さんは多いと思います。
その気持ち、よく分かります。でも、うまくいかない理由を「世代の違い」で片づけてしまうと、そこで育成は止まってしまいます。
若手社員の育て方は、まず「世代」を外して見る
世代でくくると、楽になります。原因が自分たちの外にあることになるからです。でも、目の前の若手は「若者代表」ではなく、一人の人です。
厚生労働省の転職者実態調査では、20代の離職理由は人間関係や仕事の環境など、目の前の課題が中心になる傾向が見られます。つまり、若手が辞めるきっかけの多くは、会社の中で手を打てるところにあるんです。
現場監督をしていた頃、私はいつも「どうしたら職人さんが気持ちよく、120%の仕事ができるか」を考えていました。育てる側の役割も、同じだと思っています。相手を変えようとする前に、相手が力を出せる環境を整えること。それが育成のスタートです。
習慣①「できない」の前に「分からない」を疑う
若手が動けないとき、やる気の問題に見えることがあります。でも実は、「何が分からないかも分からない」状態のことが多いんです。
たとえば、朝は何分前に来るのか。休憩はどこで取るのか。備品は自分で用意するのか。働いている人には当たり前でも、新人にとっては一つひとつが小さなストレスです。私が学んだのは、こうした社内のローカルルールを紙にまとめて渡すだけで、余計な不安がぐっと減るということでした。
声のかけ方も大切です。「何か困ったことある?」と聞くと、多くの人は「大丈夫です」と答えます。「どんなことで困ってる?」と聞くと、答えが返ってきやすくなります。
習慣②目標を一緒に小さく刻む
「早く一人前になってほしい」。その期待は大切です。でも、ゴールが遠すぎると、若手は今日なにを頑張ればいいのか見えなくなります。
そこでおすすめしたいのが、目標を大・中・小に分けて一緒に考えることです。3年後どうなっていたいか。そのために1年後、半年後、3か月後はどうか。順番に落とし込んでいきます。
小さな目標が見えると、「できた」を実感しやすくなります。教える側も、どこまで進んだかが分かるので、声をかけるタイミングがつかみやすくなります。
ポイントは、会社が目標を決めて渡すのではなく、本人の言葉で語ってもらうことです。「なぜこの会社を選んだのか」も、あわせて聞いてみてください。入社したときの気持ちを思い出すことが、続ける力になります。目標は一度決めて終わりにせず、1か月後、3か月後にもう一度一緒に見直しましょう。
習慣③若手の「外の目線」を聞く
入社したばかりの若手は、まだ会社に染まりきっていません。だからこそ、長くいる人には見えないものが見えています。
「前の職場や学校と比べて、ここは変だなと思うことはある?」。こう聞いてみてください。耳の痛い答えが返ってくるかもしれません。でも、それは会社を良くするヒントです。
そして何より、意見を聞いてもらえた若手は「自分はここにいていいんだ」と感じます。育てるとは、教えることだけではありません。相手の声を受け止めることも、立派な育成なんです。
今日からできること
- 社内のローカルルールを10個書き出す:出社時間、休憩場所、ゴミ出しなど。新人目線で「聞きにくいこと」を中心にまとめましょう。
- 質問を「どんなことで?」に変える:「何かある?」ではなく、具体的に答えやすい聞き方を一度ためしてみてください。
- 若手に一つだけ「変だと思うこと」を聞く:返ってきた答えは否定せず、まずはお礼を伝えましょう。
入社直後のフォローについては、早期離職を防止するには?入社3か月で辞める人と3年残る人の違いでも詳しく書いています。
まとめ
若手社員の育て方に、特別な才能はいりません。世代のせいにせず、一人の人として向き合うこと。「分からない」を減らし、目標を小さく刻み、外の目線に耳を傾ける。その積み重ねが、人が残る会社をつくります🔥
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